アジア経済

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インド経済の見通し~感染第2波からの経済回復が続くも、オミクロン株の流行が下振れリスクに(2021年度+9.3%、2022年度+7.6%)

■要旨   インド経済は7-9月期の成長率が前年同期比+8.4%(4-6月期:同+20.1%)と低下したが、4期連続のプラス成長となった。   7-9月期の高成長は、感染第2波に伴う活動制限措置の影響が緩和したことが大きい。感染状況の改善に伴い、政府が6~9月にかけて段階的に活動制限措置の解除を進めたことにより、経済活動が勢いを取り戻した。   経済の先行きは、ウィズコロナ下の回復が続く。人流の増加や新たな変異...

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韓国の新規感染者数が初の4000人超え-なぜ、韓国では新規感染者数が増加し続けているのか?

日本では新型コロナウイルス感染症の1日あたりの新規感染者数(以下、新規感染者数)が二桁まで減少していることとは対照的に、韓国では新規感染者数が爆発的に増加している。11月24日の新規感染者数は過去最大の4,115人を記録した。韓国で新規感染者数が4,000人を超えたのは初めてのことだ。韓国の11月23日現在の新型コロナワクチン接種率は1回目が82.4%、2回目が79.1%で、日本の78.6%と76.4%を上回っている。さらに、3回目の接種(ブースター接種)率も4.1...

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タイ経済:21年7-9月期の成長率は前年同期比0.3%減~感染第3波の深刻化によりマイナス成長に転落も、感染状況の改善で再び景気回復基調に

2021年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比0.3%減1(前期:同7.6%増)と低下したが、市場予想2(同1.3%減)を上回る結果となった(図表1)。 7-9月期の実質GDPを需要項目別に見ると、主に消費と外需の悪化が成長率低下に繋がったことが分かる。 民間消費は前年同期比3.2%減(前期:同4.8%増)と落ち込んだ。費目別に見ると、食料・飲料(同2.7%増)や住宅・水道・電気・燃料(同3.0%増)、通信(同2.2%増)、保健衛生(同15.1%増)の増...

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マレーシア経済:21年7-9月期の成長率は前年同期比▲4.5%~感染再拡大に伴う都市封鎖の影響を受けて再びマイナス成長に転落

2021年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比4.5%減1(前期:同16.1%増)と減少に転じ、市場予想2(同2.6%減)を下回る結果となった(図表1)。 7-9月期の実質GDPを需要項目別に見ると、主に内需の悪化が成長率低下に繋がったことが分かる。 GDPの6割弱を占める民間消費は前年同期比4.2%減(前期:同11.7%増)と大きく低下して2四半期ぶりに減少した。 また政府消費は前年同期比8.0%増(前期:同9.0%増)と高成長が続いた。 ...

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李在明候補の再分配政策は、基本所得(ベーシックインカム)、基本貸出、基本貯蓄が中心!

2022年3月に行われる韓国の第20代大統領選挙の候補者が次々と決まっている。韓国の進歩系最大与党「共に民主党」は10月10日、大統領選の公認候補に李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事(56歳)を選出した。李在明氏の累計得票率は約50.3%で、次点だった李洛淵(イ・ナギョン)元国務総理を11ポイント以上引き離した。   一方、11月4日には野党「国民の党」の安哲秀(59歳、アン・チョルス)党代表が来年の大統領候補に選出された(単独出馬、賛成92.18%、...

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フィリピン経済:21年7-9月期の成長率は前年同期比7.1%増~2期連続のプラス成長、感染再拡大による外出・移動制限の影響は限定的

2021年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比7.1%増1(前期:同12.0%増)と低下し、市場予想2(同4.9%増)を大きく上回る結果となった(図表1)。 7-9月期の実質GDPを需要項目別に見ると、主に内需の鈍化が成長率低下に繋がった。 まず民間消費は前年同期比7.1%増(前期:同7.3%増)と若干低下したものの、2期連続で高めの伸びを維持した。民間消費の内訳を見ると、衣服・履物(同24.5%増)と保健(同18.8%増)、教育(同14.5%増)、交通...

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東南アジアで新型コロナ感染がピークアウト

東南アジアは今年に入って新型コロナウイルスの感染状況が次第に悪化、6月中旬から急拡大した。ASEAN加盟全10カ国の新規感染者数は6月中旬の2万人台から7月下旬に10万人まで急増、一時は米国やユーロ圏などを上回る勢いとなった[図表1]。感染拡大の背景には、デルタ株の流行とワクチン接種の遅れのほか、感染対策の不徹底や祭事期に伴う人流の増加がある。東南アジアは昨年の感染第1波が軽度で済み、海外産ワクチンの調達競争や国産ワクチンの製造に出遅れた。また人口の多さやワクチン供...

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インドネシア経済:21年7-9月期の成長率は前年同期比+3.51%~成長率は2期連続のプラス成長も、感染再拡大に伴う行動規制強化の影響を受けて減速

インドネシアの2021年7-9月期の実質GDP成長率1は前年同期比(原系列)3.51%増(前期:同7.07%増)と低下し、市場予想2(同+3.88%)を下回る結果となった。 7-9月期の実質GDPを需要項目別に見ると、主に内需の鈍化が成長率低下に繋がった(図表1)。 民間消費(対家計民間非営利団体含む)は前年同期比1.07%増(前期:同5.92%増)と鈍化した。費目別に見ると、前期に二桁増となった輸送・通信(同0.21%減)とホテル・レストラン(同2.48%...

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ASEANの貿易統計(11月号)~9月も国際商品市況の上昇により資源輸出が好調

21年9月のASEAN主要6カ国の輸出(ドル建て、通関ベース)は前年同月比17.1%増となり、前月の同15.0%増から小幅に上昇した(図表1)。輸出は昨年4月に新型コロナウイルスの世界的な感染拡大と国内外で実施された活動制限措置の影響が本格化して急減した後、経済活動の再開やテレワーク需要の増加に伴う電気・電子製品の出荷増、商品市況の改善を受けて増加傾向が続いている。9月も感染拡大防止に伴う活動制限措置によりベトナムやフィリピンなどで輸出の勢いが鈍かったが、国際商品市...

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来年はワクチン普及拡大によりウィズコロナ下の景気回復へ

東南アジア地域は2020年以降、コロナ禍で実態経済が停滞している。東南アジア5カ国(マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム)の経済は新型コロナ感染拡大と活動制限措置の影響が直撃した2020年4-6 月期に悪化し、ベトナムを除く4カ国がマイナス成長に沈んだ。その後、各国は感染拡大に歯止めをかけると活動制限の段階的解除と財政・金融両面の支援策を実施し、2020年後半から経済回復に転じた。しかし、2021年4月頃からデルタ株の流入や感染対策疲れなどにより感染...