中国経済

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中国経済:生産者・消費者物価の動向(2021年10月)~生産者物価上昇が消費者物価を押し上げへ

2021年11月10日の中国国家統計局の発表によると、10月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比13.5%上昇となり、9月の同10.7%上昇を2.8ポイント上回った。10月の消費財は同0.6%である一方、生産財は同17.9%となり物価上昇の牽引役となっている。(図表-1) 上昇幅の大きい生産財の内訳をみると、採掘工業が前年同月比66.5%上昇、原材料工業が同25.7%上昇、加工工業が同10.8%上昇となった。国際的な原油価格の上昇や、石炭の需給ひっ迫による...

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共同富裕に舵を切った中国-文化大革命に逆戻りし経済発展が止まるのか?

■要旨   習近平政権が「共同富裕(皆が共に豊かになる)」の実現に向けて自由を制限し、統制を強化する動きを強めている。そして文化大革命を発動した毛沢東が唱え始めた共同富裕に動き出したことで、文化大革命へ逆戻りするのではないかとの懸念が浮上している。それでは本当に文化大革命に逆戻りしてしまうのだろうか。また共同富裕に向かうことで中国経済はどんな影響を受けるのだろうか。   改革開放前の中国では、共同富裕を最優先する毛沢東らと経済発...

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中国経済の現状と今後の注目点-電力不足、不動産規制、コロナの3点に注目!

■要旨   21年7-9月期の実質成長率は前年同期比4.9%増と前四半期の同7.9%増を下回り2四半期連続で減速した。昨年1-3月期にはコロナ禍で落ち込んだが、財政金融政策をフル稼働させて昨年4-6月期にはコロナ前を回復した。しかし、財政金融が引き締め方向に変化すると、国有企業の投資は鈍り、不動産業は資金調達に苦しみ、経済成長の勢いは鈍化してきた。   消費者物価(CPI)は落ち着いており21年の抑制目標(3%前後)を下回る水準...

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中国経済:貿易統計(2021年9月)~輸出の伸びは拡大するも、輸入は鈍化

2021年10月13日の中国税関総署の発表によると、10月の中国の輸出額は3057億ドル、輸入額は2390億ドルとなり、貿易収支は668億ドルの黒字(前年同月比80.4%増)となった(図表-1)。 中国では8月下旬にコロナが一服していたものの、9月初旬に福建省の莆田市や廈門市にてコロナ感染者が確認された。続いて9月下旬には黒竜江省のハルビン市で7か月半ぶりの感染者が確認されたが、その後は落ち着きを見せている。また、16日には、中国はTPP(環太平洋パートナーシ...

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中国経済:景気指標の総点検(2021年秋季号)-景気評価結果は0勝,9敗,1分で0点に転落!

■要旨   21年4-6月期の国内総生産(GDP)は実質で前年同期比7.9%増と、1-3月期の前年同期比18.3%増を大きく下回った。しかし、前期比(季節調整後)では1.3%増(年率5.3%増)と、1-3月期の前期比0.4%増(年率1.6%増)から加速している。一方、消費者物価はいまのところ落ち着いており、21年の抑制目標(3%前後)を下回る水準で推移している。   需要面の3指標を見ると、小売売上高はコロナ感染が断続的に発生し...

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中国経済:景気指標の総点検(2021年秋季号)-景気評価結果は0勝,9敗,1分で0点に転落!

■要旨   21年4-6月期の国内総生産(GDP)は実質で前年同期比7.9%増と、1-3月期の前年同期比18.3%増を大きく下回った。しかし、前期比(季節調整後)では1.3%増(年率5.3%増)と、1-3月期の前期比0.4%増(年率1.6%増)から加速している。一方、消費者物価はいまのところ落ち着いており、21年の抑制目標(3%前後)を下回る水準で推移している。   需要面の3指標を見ると、小売売上高はコロナ感染が断続的に発生し...

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中国経済:貿易統計(2021年8月)~輸出・輸入ともに前月より伸びが拡大

2021年9月7日の中国税関総署の発表によると、8月の中国の輸出額は2943億ドル、輸入額は2360億ドルとなり、貿易収支は583億ドルの黒字(前年同月比1.0%減)となった(図表-1)。 中国では7月下旬から江蘇省等の各都市でコロナ変異株への感染者が発見されており、その後も広東省広州市や上海市等の大都市で防疫体制の強化が行われてきた。インド由来の新型コロナウイルスの変異株である「デルタ株」の国内感染が続く中、全国31省、自治区、直轄市すべてにおいて住民への移...

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中国経済の見通し-経済成長率は巡行速度へ回帰、改革開放の軌道修正を要注視!

■要旨   現在も世界は新型コロナウイルス感染症のパンデミック渦中にあるが、中国ではほぼ沈静化したと言ってよい状況にある。江蘇省から観光名所の張家界へ広がり北京でも確認されたデルタ株も8月中旬には峠を越えた。但し、世界でパンデミックが収まらない間は、海外からいつ中国へ流入してもおかしくないため、予断を許さない状況が続きそうだ(下左図)。   こうした環境下で中国経済は、20年4-6月期には早くもコロナ前の水準を上回り、その後も右...

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中国経済の回復はまだ続くのか?-そのカギを握る4つの注目点

■要旨   新型コロナウイルス感染症とのこれまでの闘いを振り返ると、中国を発火点に、韓国、欧州・米州・豪州、その他新興国へと拡散して、世界では現在も猛威を振るっているが、中国ではここ1年余り大きな感染拡大は確認されず、ほぼ沈静化したと言ってよい状況にある(下左図)。   こうした環境下で中国経済は、2021年4-6月期の実質成長率が前年同期比7.9%増と、前四半期の同18.3%増を大きく下回ったものの、8%近い高成長を維持した。...

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中国におけるコロナ禍との闘いを振り返って-今後の政策運営にどう影響するのか?

■目次 1――世界でコロナ禍が猛威を振るう中いち早く立ち直った中国経済 2――コロナ禍との闘いの経緯   1|新型コロナ混迷期(19年12月頃~20年1月19日)   2|防疫強化期(20年1月20日~2月20日)   3|経済活動再開期(20年2月21日~5月21日)   4|全人代から現在まで(20年5月22日~) 3――コロナ禍が中国に与えた影響   1|国民の意見をより積極的に求める方向に   2|自らのデジタル戦略に確信を高め経済政策...