法務

経済レポート

Facebook反トラスト訴訟中間判決の概要-FTCの主張は棄却するも訴訟は継続

■要旨 米国連邦取引委員会(FTC)がFacebookをシャーマン法2条(私的独占の禁止)違反として差し止め等を求めて提訴した訴訟について、ワシントン地区連邦地裁は中間判決を下した。それによると、訴訟自体は棄却しないものの、FTCの主張について否定し、主張の出し直しを認めることとした。   FTCの主張としては、Facebookは個人向けSNSにおいて独占的な事業者であり、(1)InstagramとWhatsAppの買収・保有を通じて違法に独占的...

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立法論としてのロックダウン-感染拡大を抑えるために

東京都での日々の新型コロナウイルス感染症の新規感染者が5000人台となり、国内では20000人台が続いている。今回の第5波は過去の感染拡大のフェーズと明らかに感染者の規模が異なる。専門家ではないので断言はできないが、デルタ株など感染力の強い変異種が大きく関係していると考えられる。これだけの感染者が出てしまうと、感染源を突き止めて感染拡大を防ぐために行われる、積極的疫学調査を行うことも困難になってしまっている。 対策としては、三密を避ける、手洗い・消毒を励行する...

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提案されたEUのデジタルサービス法案-Digital Services Act

■要旨 2020年12月に欧州委員会は、デジタル社会における違法なコンテンツが流通することを防止するための規制(Regulation)案として、デジタルサービス法案(Digital Services Act、DSA)を公表した。   DSAは欧州域内市場におけるデジタルな仲介サービスの提供に関して調和のとれたルールを導入するものであり、具体的には、以下を定めている。 (1) 仲介サービス提供者の違法コンテンツを流通させたことに関する責任の免...

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ネット上の権利侵害者開示請求制度の簡易化・迅速化-プロバイダ責任制限法の改正

■要旨 先に終了した第204回通常国会でプロバイダ責任制限法の改正が行われた。プロバイダ責任制限法では、他人の権利を侵害するようなコンテンツが発信・流通した場合に、プロバイダがそのコンテンツを流通させたことについて、それだけでは原則として責任を負わないことが定められている。また、権利侵害とみられるコンテンツを削除等した場合に、発信者に対して責任を負わない要件もプロバイダ責任制限法は定めている。   プロバイダ責任制限法は、さらに、権利を侵害された...

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提案されたEUのデジタル市場法案-Digital Market Act

■要旨 2020年12月に欧州委員会はデジタルサービス法案(Digital Services Act)とデジタル市場法案(Digital Market Act、DMA)の二つの規則案を公表した。本稿はDMAについてその概要を解説するものである。   DMAはEU域内で核となるプラットフォームの提供者である門番(Gate Keeper、GK)を指定し、その行為を規制するものである。DMAはGK指定のための一定の要件および要件を満たす条件としての閾値...

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所有者不明土地への諸対策 (6)-不動産相続登記申請の義務化

■要旨 相続登記は義務ではなく、かつ、いつでも相続人としての権利を主張できるといった事情などもあり、相続登記が放置されて、結局、所有者がわからなくなることが問題視されてきた。   今回の不動産登記法の改正により、相続開始後3年以内に相続を登記すべきこととされ、違反には過料が課せられることとなった。   不動産登記を行う方法としては、本来は遺産分割を行って不動産の所有者が登記を行うことが本来的なものではあるが、遺産分割前に法定相続分で...

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新型コロナについての法的対策の変遷-感染症法・特措法の改正と運営

■目次 1――はじめに 2――法令整備初期(第一期)   1|感染症法の適用   2|感染症法で適用される規定   3|特措法の適用 3――法令適用期(第二期)   1|第一次緊急事態宣言の発出   2|緊急事態措置の内容   3|入院先の確保   4|第二次緊急事態宣言の発出 4――法令改正期(第三期)   1|感染症法の改正   2|特措法の改正 5――改正法適用期(第四期)   1|まん延防止等重点措置   2|第三次緊急事...

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所有者不明土地への諸対策 (5)-相隣関係と所有者不明・管理不全土地建物管理

■要旨 今回の民法改正によって相隣関係の見直しが行われた。たとえば境界画定を行うにあたって、隣地への立ち入りができることとされた。この規定は、隣地へ当然に立ち入ることができるとするものであり、隣地の所有者が所在等不明であっても、所在等判明後に事後通知を行うことを前提として立ち入りが可能になった。   また、所有者が不明である土地について管理人の選任を利害関係者が請求することができることとされた。所有者不明土地管理人は土地の管理・処分を行う権限を専...

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所有者不明土地への諸対策 (4)-遺産分割の期間制限

■要旨 今回の民法改正によって、遺産分割の期間制限が設けられた。もともと相続財産の分割にあたっては配偶者や子など被相続人との親族関係に基づく法定相続分が定められている。実際に分割するにあたっては、相続人が相続財産の増加に貢献した場合の寄与分や、被相続人から生前贈与を受けている場合の特別受益を勘案して相続財産を分割することとされている(具体的相続分という)。   今回の改正では、相続開始後10年経過後には、この寄与分と特別受益による相続財産分割の主...

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所有者不明土地への諸対策(3)-相続財産の管理

■要旨 相続人がいる際の相続財産の管理は相続人が行うことが原則である。ただし、相続開始から熟慮期間(相続開始から3か月)は相続財産の管理人を置くことができる。また、相続人がいないときは、相続財産は法人となって、やはり管理人が置かれる。   相続人がいる場合において、限定承認(相続債務の範囲内で財産を相続)した場合、あるいは相続放棄をした場合には、それぞれ相続財産の管理人が置かれる。なお、相続放棄の場合は、他に相続人が表れて管理を引き継ぐか、相続財...