財政・税制

経済レポート

2023年度税制改正-人への投資のメリハリ、自動車産業の位置付け

■要旨 ここ数年、税制改正の決まり文句は「効果は限定的」。今年は、違う評価になるか注目される。 今年議論される改正項目は、人への投資、脱炭素、自動車、NISA、ストックオプションなど。金融市場では、年末に策定する「資産所得倍増プラン」や、その目玉である「NISA」や「金融所得課税」に注目が集まっている。ただ、海外目線で「投資対象」という意味では、日本企業や日本経済の復活が、期待できる税制改正となるかがカギを握る。 ■目次 1――今年度も、効果...

経済レポート

保険・年金関係の税制改正要望(2023)の動き-関係する業界・省庁の改正要望事項など

■要旨 例年通り、8月末までに各省庁の概算要求などが提出され、2023年度予算や税制改正の検討が始まった。ここでは、保険・年金あるいは競合する金融商品税制などに関わる税制改正要望についてみてみる。今回は2023年3月末で特別法人税の課税停止期間が終わるため、税制そのものの廃止・少なくとも課税停止期間の延長を、企業年金の関係業界が求めている。NISAの恒久化や金融所得課税の一体化に関する要望なども挙げられている。 ■目次 1――2023年度予算と税制...

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ふるさと納税の資金の流れ-ふるさと納税再考の余地はどこにあるのか?

■要旨 先日、総務省が公表した「令和4年度ふるさと納税に関する現況調査について」によると、2021年度のふるさと納税総額は、8,302億円に及ぶ。 毎年、ふるさと納税総額には注目が集まるが、ふるさと納税制度にかかる資金の流れはあまり着目されていない。また、返礼品によって税源が流出しているといった話は耳にするが、具体的な金額はあまり知られていない。 同様に、寄付受入額が上位の地方団体や、ふるさと納税による税金流出額が上位の地方団体には注目が集まるが、...

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ふるさと納税、当初の想定と結果-寄付者像の現状を把握する

■要旨 先日、総務省が公表した「令和4年度ふるさと納税に関する現況調査について」によると、2021年度のふるさと納税総額は、8,302億円、税金控除の適用を受けた納税者は約741万人に及ぶ。ふるさと納税制度は、2008年に創設された制度である。制度の創設前の2007年6月1日から同年10月5日にかけて、総務大臣のもとに「ふるさと納税研究会」が開催され、検討結果は「ふるさと納税研究会報告書」として公表されている。 当レポートでは、ふるさと納税の寄付者像に着...

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人口減少下の財政問題-政府の借金をどう返すか

米テスラ社CEOのイーロン・マスク氏がツイッターで「当たり前のことをいうようかもしれないが、出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」と述べたことが話題になった1。 歴史的に見て、人口は(一時期の停滞や減少を除いて)一貫して増加傾向を辿ってきたことから2、人口が(急速に)減少する将来の姿を想像することは意外に難しいように思う。 海外との流出入がないとすれば、出生数が死亡数を下回り続けた国で人口が減り続けるというのは当た...

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ウクライナ支援とふるさと納税-寄付する経路によって負担が異なることに対する違和感

■要旨   ウクライナに対する支援の動きが広がっている。役所に募金箱を設置するなど、ウクライナ支援のための寄付金を募る自治体も多く、中にはふるさと納税の枠組みを活用している自治体もある。   ウクライナ支援と一口に言っても、支援内容は自治体によって様々だが、日本赤十字社が開設する「ウクライナ人道危機救援金」等に、自治体が取りまとめた寄附金を届けるのが一般的なようだ。   実は、日本赤十字社が開設する「ウクライナ...

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2022年度税制改正(主に年金関係)について

本稿では、毎年この時期、年金制度周辺の税制がどう変化していこうとしているかを、税制改正大綱をみて紹介している。税制は予算の一部あるいは前提なので、最初に2022年度予算1の概要を簡単にみておく。2022年度予算については、107兆5,964億円と対前年度+9,867億円と4年連続で100兆円を越え、過去最大規模となっている。年金を含む社会保障費は、36兆2,735億円と対前年度+1.2%、+4,393億円増加し、これが一般歳出(歳出のうち地方交付税交付金と国債費を除...

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ワンストップ特例制度の期限-2022年も1月10日必着か?

この時期、ふるさと納税仲介業者のHPにおいて「ワンストップ特例申請書の期限は1月10日(必着)」といった注意喚起が目立つ。期限を過ぎてしまった場合は確定申告する必要があるため、親切な注意喚起ではあるが、注意喚起が不十分な気もする。   2022年の1月10日は成人の日で祝日なので、速達や書留等の特殊取扱とした郵便物以外は配達されない1。同じく前日の9日は日曜日なので配達されない。前々日の8日は土曜日である。昨年までなら配達されたが、郵便法の改正に伴い2...

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ふるさと納税のポイント問題-問題の本質はどこにあるのか

ふるさと納税の仲介サイトを運営する事業者(以下、仲介業者)が過度なポイント還元に関する自主規制を設ける動きに対し、過度なポイントは問題であるとコメントしたところ、それは違うのではないかというご意見をいただいた。ご意見の趣旨は以下のようなものである。   まず、(1)返礼品の調達額を寄付額の30%以下に抑えるルールに加え、(2)寄付金の募集に要した費用を寄付額の50%以下に抑えるルールがある。このため、仲介業者に支払う手数料は最大でも20%(50%-30...

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税制改正要望(2022)の動き-保険・年金関係の要望事項など

■要旨 8月末までに各省庁の概算要求などが提出され、2022年度に向けた予算や税制改正の検討が始まった。うち税制改正要望については、生命保険関係では生命保険料控除の拡充、損害保険関係では異常危険準備金の無税積立枠の拡充が、例年通り最重要項目とされている。他には企業年金制度の利便性向上に向けた要望や、NISAの恒久化など金融商品税制に関する要望を挙げている業界もある。 ■目次 1――2022年度予算と税制改正の動きが始まる 2――2022年度税制改...